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オカルトシンドローム#1


          ~偽りの手紙編~

 

 

登場人物

♀:  智子(ともこ)=学生 オカルト大好き元気っ子 今回は見えちゃってる メガネっ子←ここ大事

 

♀or♂: 薫(かおる)=学生 智子とは親友 色々見えちゃう子

 

※学生=大学でも高校でも中学でもなんでもいいです、学校であれば。

※薫はラストの台詞以外モノローグで進むので、エフェクト(ちょっとしたエコーとか)
 を掛けるといいかも知れません。

 

智子:


薫 :


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▼放課後 学校クラス内 夕日が差し込む

 

■机で本を読んでいる薫に智子が駆け寄ってくる 

 


智子「ねぇねぇ、この学校に幽霊が出るんだって!」

 

薫M「スマホに映し出されたのは、某大型掲示板のオカルト板

    そこにはこの学校で、夜になると
    校庭の一番大きな木の下に女の霊が出る

    そんな、テレビ番組でもやらない
    ありふれた、文章が投稿されていた」

 

智子「私たちの学校が舞台になった話なんて始めて見たよ!

    私って幽霊見たこと無いからさー!一度見てみたかったんだよね!

    それで、学校中の人気者なんかになっちゃったりしてさっ!」

 

薫M「智子はその文章を書いた本人かのようにはしゃいでいるようだった

    自分はこういった話はあまり好きではない

    なぜかって?

    見えてしまうからだ、聞こえてしまうからだ
    酷いときは数日悩まされる事もある」

 

智子「ねぇ、この噂確かめようよ!薫も気になるでしょ!」

 

薫M「その言葉を聞いて

    ああ、また智子の悪い癖がはじまってしまった、そう思った」

 

薫M「どうやらその掲示板の噂では、午前0時に校庭の木の下に現れるらしい

    夜更かしは肌に悪いのに、なんて事を考えながら智子の提案に無理やり乗らされてしまった

    これも親友になってしまったせいなんだけど...」

 

 

▼午前0時前 学校グラウンド

 

■ 校門の前で二人して並ぶ

 

 

薫M「流石に夜の学校は不気味だ、なんて事を考えていると」

 

智子「ねぇねぇ、ほんとにでるのかな?」

 

薫M「智子は心底楽しそう、自分とは真逆の反応だ」

 


■グラウンドの一角にある大きな木に来る

 


智子「この木ががあの噂の木だよ!ちょっと緊張するね...」

 

薫M「そんな珍しい彼女を見やりつつ
    時計を見ると午前0時

    まとわりつくような、嫌な空気を感じつつ
    その女が現れるのを待っていた」


薫M「出てこない...

    0時になっても周辺に生える雑草が、揺らめくだけで何も現れない」

 

智子「な~んだ、なにもでないじゃん!」

 

薫M「智子はそういってきびすをかえそうとしていた

    その時、突風が吹く

    彼女は思わずスカートを押さえる」

 


●SE:風の吹く音

 


智子「もう、何なの…よ!?」

 

薫M「もう一度その木の下をみると一人の女性が立っていた

    雨も降っていないのに傘を持って

    何かを待つように、そこに立っていた」


智子「え?あれって、アレだよね?」


薫M「こちらに聞いてくる、おびえてる様子は無い

    むしろ楽しげに聞いてくる

    自分には彼女がどういう神経をしてるのか理解できない」

 

智子「私本物見るのはじめて!ちょっと話掛けて来る!」

 


■女性の幽霊に駆け寄っていく智子

 


薫M「あの子は恐怖というものがないのだろうか?

    この世のものじゃないって見ればわかるだろうに...

    でも、そんな智子に惹かれたのも事実で
    だからこそ、こうやって付き合っているのだが」

 

薫M「智子が女性に話し掛けようとする」

 

智子「ここでなにしてるんですか?」

 

薫M「女性は首を横に振る」

 

智子「もしかして、しゃべれないんですか?」

 

薫M「智子は質問を続ける

    女性はまた首を横に振る」

 

智子「む~、意思疎通は出来ないみたいね」

 

薫M「そりゃそうだろうと、内心思いつつ
    自分は気づいてしまった

    その女性が一点を見つめている事に」

 

薫M「もしかして...そう思い、智子に告げる」

 

智子「え?木の根元?」

 

薫M「そう伝えると」


智子「なにかあるのかな?わたし掘ってみる」

 


■キョロキョロする智子

 


薫M「智子は周りを見渡し、大きな木の枝を見つけてきた」

 

智子「これで掘り返せるでしょ!」

 


●SE:土を掘る音

 


薫M「ワクワクした様子で木の根元を掘り始める彼女

    それから5分ほどたっただろうか?

    自分は女性の方が気になって仕方が無いのに
    智子はもう土を掘り返すのに夢中だ」

 

智子「ねぇ!!見て見て!何かあるよ!」

 


■智子に近づいていく薫

 


薫M「相変わらずテンションの高い彼女を見やりつつ
    それを確かめる

    そこにあったのはただの古くさびたスチール缶だった」


薫M「当然の様に智子はそのスチール缶を開けようとする

    自分の制止も聞かずに。」

 


●SE:缶のふたを開ける音

 


薫M「中には手紙が入っていた」

 

智子「えーっと、ちょっと古い字みたいだねーっと、どれどれ?」


智子『愛するあなたへ


    一緒に生きようと、地位も家族も捨ててしまって構わないと
    あなたと一緒に最後を迎えられるならそれでいいと思いました
       
    けれど私には勇気がなかった
    思いとどまってしまった

 

    あなたは待っていてくれているのでしょうか?
    裏切った私を待っていてくれているのでしょうか?


    ごめんなさい、許して欲しいとは思いません

    怨んでくれてかまいません

 

    どうかご壮健で...』


薫M「そう智子は手紙を読み上げた」

 

智子「なんだか可哀想だね...」

 


■少し首を捻る薫

 


薫M「しかし、私は疑問を抱いた

    なぜ裏切った女性がここに存在するのか?

    この手紙が事実ならば、男性がいるはずなのだ

    その事を智子に伝えると、智子はものすごい発見をしたかのように」

 

智子「あっ!たしかに!何か理由があるのかも!

    ...でもどうやって調べればいいんだろ?」

 

薫M「智子は首を捻りながらうんうん唸っているが
    自分には聞こえてしまった

    その女性の声が

    チガウ...チガウ...ワタシジャナイ...と」


智子「どうしたの?変な顔して?」


薫「その手紙は本当にこの女性が書いたものなのか?と智子に伝えると」

 

智子「え?そうなんじゃないの?だって男に宛てた手紙でしょ?」

 

薫M「何を言いたいのかはわからない

    けれど、女性は「チガウ...チガウノ...」

    と、繰り返す

    自分にはその女性が怨みと悲しみで泣いているように見えた」

 

智子「どうしたの?」

 

薫M「なんでもないと答えると同時に強い突風が吹いた」

 


●SE:風の吹く音


■またまたスカートを押さえる智子

 


智子「もう!やめてっていってるのに!」

 

薫M「もう一度女性の方を見るとそこには何事も無かったかのように

     大きな木が不気味な存在感を放ちながら居座っていた」

 


■またまたキョロキョロ周りを見渡す智子

 


智子「あ、あれ?消えちゃったの?」


薫M「キョロキョロしている智子を横目に

    あの女性はこれからもずっとここで泣き続けるんだろう

    そんな事を考えていた」


智子「幽霊も消えちゃったし周りにもなにもないね、しょうがない、帰ろっか!」


薫M「あっけらかんとしたその言葉にうなずくと自分達は学校をあとにした」

 

 

▼次の日 学校内

 


●SE:学校のチャイムが鳴る音

 


智子「ねぇねぇ、聞いてよー!

        みんなに昨日の事話しても誰も信じてくんないの!酷いと思わない?」

 

薫M「いやいや、信じろと言う方が無理だ

    なんていえるわけも無く、ぶなんな答えを返して行く」


智子「でもさー、昨日のアレって結局どういう事だったんだろ?」


薫M「真相はわからない、ただ言える事は自分達が怪異に出会った

    そして、今回は無事に帰ってこれたという事だけ」


智子「でさー、また見つけちゃったんだよね、面白い噂!隣町の......」

 

薫M「これからも、この無理無茶無謀の親友に振り回され

    新たなオカルト話に付き合わされるんだと

    頭を悩ませながら、ため息を吐いた」

 


■満更でもない感じの薫

 


薫「はぁ~、わかってるって付き合うよ」

 

 

 

to be continued

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