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【桜舞い散るこの場所で】

 

 

 

もう春だね、君はそっちで元気にしてるかな?


近所にある桜並木は満開で、どうしても君を思い出す。


あの頃は楽しかったよね、二人で映画やショッピング。

 

いつもこの頃になると思い出す、君と一緒にいたあの頃を。


デートが終われば、私の家で君は一杯のコーヒーを飲んでいろんな話を聞かせてくれた。


夜が更ければ、二人シングルベッドで抱き合った。


そんな日々がずっと続くと思ってた。

 

あの時、君は私を呼び出してあの言葉を言ってくれた。


「ずっと一緒にいよう」って、「結婚しよう」って。

 

私はちょっと驚いて困惑してたのかな?


君の眼にはどう映ってたのかな?

 

まっすぐこちらを見つめる君は、私にとって世界で一番カッコよく見えたよ。
だから私は頷いた。

 

桜の花びらが風で舞い散って、二人を祝福してくれてる気がしたんだ。

 

だけど君は約束を守ってくれなかった、一緒にいてくれるって言ったのに…。

 

いつもこの季節になると君を思い出す。


だからいつもの桜並木を歩いている。

 

君が私に約束してくれた場所へ。


ただの散歩のつもりだったけど、気づけば涙が頬を伝ってた。

 

いつか私がそっちに行ったらまた私と?

…そうだといいな。

 

もしも生まれ変わりがあるのなら、またこの場所でもう一度…。


あなたと一緒にこの道を、あなたのまっすぐな瞳を。


そしてもしあなたが私の事を覚えてくれているのなら。


もう一度桜舞い散るこの場所で、この桜舞う場所でまた二人寄り添って
次は私からあなたへ伝えたい。

 

あの時言えなかったこの言葉を

 

「私は貴方を愛してます、だから…一つだけ約束して、
  一分でも一秒でもいい、私より先に行かないでください。」

 

 

貴方はまた私と恋してくれますか?

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