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【赤目姫】(全滅)

​

​

拓也       :
里香       :
慎吾&大名    :   
老人&キャスター :
おばさん&赤目姫 :

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▼大学構内講義室 夕方


◆喧噪の音

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里香   「ねぇ、今度の連休どこいく?」

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拓也   「あ?なにも考えてねぇーけど?」

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里香   「私山に行きたーい。キャンプしようよ、キャンプ!」

​

拓也   「こんなにくそ暑いのに山かよ。海じゃねーの?」

​

里香   「森林浴でリラックス効果を期待している。」

​

拓也   「なんでいきなりそんな口調なんだよ…。」

​

慎吾   「よー!お二人さん今日もラブラブだねー!」

​

里香   「なに?ヤキモチ焼いてんのー?」プークスクス

​

慎吾   「なっ!ばっ、バカいってんじゃーねーよ。モテモテだっつーの。」

​

拓也   「ところでだ、里香が今度の連休山にキャンプに行きたいそうなんだが慎吾は興味あるか?」

​

慎吾   「え?あーうんそーだねー。興味ないことはないよねー…。」

​

里香   「どうせ暇なんでしょ、一緒に行こうよ。」

​

慎吾   「ひ、暇じゃねーし!超忙しいし!!」

​

拓也   「はいはい、でどうする?行く?行かない?」

​

慎吾   「行くに決まってんだろー!!」

​

里香   「やっぱりそうなるんじゃん、最初から素直にそう言えばいいのに。」

​

慎吾   「バッキャロー!俺にも体裁ってもんがあってだな・・・」

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拓也   「そんじゃ、次の連休3人で山に行くか。」

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慎吾   「サラッと流さないでくださいお願いします。」

​

里香   「拓也はどこかいいところ知ってるの?私全然わかんないんだけど。」

​

拓也   「おい!お前が言い出したんだろうが!」

​

里香   「だってー、急に行きたくなっちゃんたんだもん。」

​

拓也   「はぁ~、お前ってやつは…」

​

慎吾   「お?まだ行くところ決まってない感じなの?」

​

拓也   「聞いた通りだ。」

​

慎吾   「ならさ!最近噂になってる限界集落の近くに行ってみないか?」

​

拓也   「は?そんなとこ行ってどうするんだよ?」

​

慎吾   「いろいろ出るんだってよ…」

​

里香   「もしかして幽霊とか?」

​

慎吾   「さぁ?そこまではわかんねーけどさ、まぁ曰く付きの村らしいぜ?」

​

里香   「行ってみたーい!」

​

慎吾   「えっ?怖いとか思わないの?」

​

里香   「えっ?」

​

拓也   「こいつはそういった話が大好きなんだよ。今まで何回心霊スポットに連れていかれたか…。」

​

慎吾   「そうだったの?」

​

里香   「そうだったの!」

​

拓也   「んで、慎吾はその村の名前とか知ってるのか?」

​

慎吾   「えーっとだな、赤目村って呼ばれてるらしいぜ?」

​

里香   「なんだか変な名前ね。」

​

慎吾   「まーね。でも自然がいっぱいでキャンプするならもってこいの場所だと思うぞー。」

​

里香   「ねぇねぇ拓也そこにしようよ!」

​

拓也   「あー、まぁ他にあても無いしそこに行くか。で、慎吾   はその場所知ってるのか?」

​

慎吾   「いんや、知らねーけど?」

​

拓也   「おい!」

​

慎吾   「まぁまぁ落ち着け実際にある村らしいからさ、グーグル先生に聞けば一発でわかるだろ?」

​

里香   「便利な世の中になったねー、おじいさんや。」

​

拓也   「だれがじいさんかっ!」

​

慎吾   「そういや、キャンプ道具とか用意してんの?」

​

拓也   「ああ、ある程度は俺が持ってる。」

​

慎吾   「なら買い出しはそんなに必要ないか。」

​

里香   「楽しみー!何か出るかな?」

​

拓也   「知るかっ!」

​

​

間

​

​

▼車内

​

​

拓也   「おい、もう結構走ったけどまだ着かないのか?」

​

慎吾   「うーん、このあたりだと思うんだけどなー。」

​

拓也   「グーグル先生でもわかんねーの?」

​

慎吾   「あっ!この道を左に曲がった先がそれっぽい!」

​

拓也   「これか?って...え?」

​

里香   「どうしたの?」

​

拓也   「いや、この先が村なんだろうけど…村の入り口に鳥居なんてあるもんか?」

​

里香   「え?」

​

慎吾   「あーホントだ、こりゃ鳥居だわ。」

​

里香   「なんだか雰囲気出てきたね!」

​

拓也   「んー、ちょっとここ潜るの気が引けるな。」

​

慎吾   「大丈夫だって!そんなに珍しいもんでもないだろ?」

​

里香   「そーだよー!」

​

拓也   「いや、珍しいだろ。少なくとも俺はこんなの聞いたことないぞ。」

​

里香   「いいからいいから!ゴーゴー!!」

​

​

間

​

​

慎吾   「おっ!あれが村じゃね?」

​

里香   「えっ、どこどこ?」

​

拓也   「あー、あれか…ホントに小さな村なんだな。」

​

慎吾   「まぁ、限界集落なんてそんなもんじゃねーの?」

​

拓也   「とりあえず、村の人にキャンプできるようなところがあるか聞いてみるか。」

​

里香   「そだね、あとで怒られるのも嫌だし。」

​

慎吾   「それじゃ!第一村人発見と行きましょうか!」

​


▼村に入る

 


里香   「あっ!人じゃない?」

​

慎吾   「おっ、第一村人発見した?なんかグラサン掛けてるな。怖い人じゃなけりゃいいけどな~、なんつって。」

​

拓也   「冗談はそれくらいにしておけよ?取り合えず声かけてみるか。すいませーん!」

​

おばあさん「あれ?見ない顔だねぇ。遠くから来なすったのかい?」

​

拓也   「ええ、ちょっと遊びに来たんですけど、このあたりにキャンプができる場所とかってわかります?」

​

おばあさん「外から来たって事はこの村の事を知らずに来たんだねー。」

​

拓也   「ええ、そうですけど。何かまずかったですか?」

​

おばあさん「いんや、可哀そうにねー。少し知ってれば避けれたのにね。
      なんでこんな場所に来てしまったんだろうね。
      それとも姫の想いが呼び込んだのかね?」

​

里香   「え?何言ってんのこのおばさん…。」ヒソヒソ

​

慎吾   「いい歳だし、ね?わかるでしょ?」ヒソヒソ

​

里香   「あー、それはしょうがないよね…」ヒソヒソ

​

拓也   「すいません、ありがとうございました。もう行きますので。」

​

​

▼車で去っていく

​

​

おばさん 「ほんに…お気の毒にね…。
      黒い瞳のお方達。」

​

拓也   「次の人探すか?」

​

慎吾   「もうさっさと俺たちでキャンプ出来そうな場所探した方がいいんじゃね?」

​

里香   「さっきの人ちょっと怖かったね。」

​

拓也   「そうか?」

​

里香   「だって、私たちの事可哀そうだって言ってたんだよ?どうして?」

​

慎吾   「だから、さっき言ったでしょ?気にしない気にしない!」

​

里香   「まっ、気にしない方がいいかもね。折角の休みだもん楽しまなきゃね!」

​

慎吾   「そうそう、それでこそ里香ちゃん!」

​

拓也   「で、これからどうすんの?」

​

慎吾   「ホントは許可取った方がいいんだろうけど、適当でいいんじゃね?」

​

拓也   「オーケー。そんじゃ適当に探すか。」

​

​

間

​

​

▼広場到着

​

​

慎吾   「おー!結構いい場所じゃん!これならバーベキューも余裕でできるな!」

​

拓也   「おーい!テント張るの手伝ってくれー。」

​

慎吾   「あいよ!」

​

里香   「・・・・・・」

​

拓也   「ん?里香の奴どうしたんだ?」

​

慎吾   「お?なんかキョロキョロしてるな。」

​

拓也   「おーい!里香なにしてんだー?」

​

里香   「えっ?あっ、うん。なんか向こうに人影があった気がしたから。」

​

拓也   「人影?」

​

里香   「うん、そんな気がしたからさ。もしかしたら幽霊かもっ!って、」

​

拓也   「どうせ気のせいだろ。ほら、お前もこっちで手伝ってくれよ。」

​

里香   「うん、わかった。」

​

慎吾   「うぉい!お前らが向こう行ってる間にテント完成しちまったじゃねーか!」

​

拓也   「すまんすまん。それじゃあこっちはバーベキューの準備するからお前は休んでてくれ。」

​

慎吾   「おう!そうするわー。」

​

拓也   「さてと、準備するか…ん?里香?どうした?」

​

里香   「いや、うん…ちょっと気になってさ。」

​

拓也   「なに言ってんだよ。そういうのを求めてたんじゃないのか?」

​

里香   「そうなんだけど…なんだか監視されてるみたいでさ。」

​

拓也   「あー、そういう怖さか。しょーがないよ勝手に敷地使ってバーベキューしようとしてるんだからさ。」

​

里香   「う、うん…そうだよね!気にしない気にしない!」

​

拓也   「ほら、さっさと準備するぞ。」

​

里香   「はーい。」

​

拓也M  「時は過ぎ、すっかり暗くなった広場でバーベキューをしていた俺達は、
      酒も入り宴(えん)もたけなわとなっていた。」

​

慎吾   「おー!お前ら飲んでるかー!」

​

里香   「もう!うっさいわね!飲んでるわよ!」

​

慎吾   「おっと、ちょっと小便してくるわ。」

​

里香   「ちょっと!乙女に何の報告してんのよ!勝手に行きなさいよ!」

​

拓也   「はははっ。」

​

慎吾   「失敬失敬、んじゃちょっと行ってくるわ。」

​

拓也   「おう、あんまり奥に行き過ぎるなよ。」

​

慎吾   「わーってるよ!」

​

里香   「はぁ、なんであいつはいつもあんな感じなんだろう、だから彼女いないのよ。」

​

拓也   「あんな感じだからいいんだろ?一緒に居て暇しないからな。」

​

里香   「まぁ、そうだけどさー。」

間

慎吾   「ちょっと遠くから)うわぁぁぁぁぁぁ!?!?」

​

拓也   「ちょっ!どうした?」

​

慎吾   「見てるんだよ、こっちを見てる。」

​

里香   「なに?誰かに見られたの?」

​

慎吾   「赤い眼がこっちをずっと見てるんだよ!?」ガタガタブルブル

​

拓也   「こんな山の中だからな、動物か何かだったんじゃ…って、おい!?なにしてんだよ!?」

​

慎吾   「眼が合った、眼を見られた。違う俺じゃない!許してくれごめんなさい赤い眼が…ぐぐぎゃぁぁぁ!!」

​

里香   「キャーー!?」

​

拓也   「慎吾正気かっ!眼を潰すなんて!?
      きゅっ、救急車を...って。圏外かよ!!?里香そっちの携帯は!」

​

里香   「ダメ繋がらない!なんなのよもう!!」

​

​

間

​

​

里香   「は、早く街に戻りましょう!!」

​

拓也   「あ、ああそうだな!おい慎吾街に戻るぞ!」

​

慎吾   「来るな来るな来るな来るな!」

​

拓也   「くそっ!慎吾は俺が担いでいくから車のエンジンをかけておいてくれ!」

​

里香   「う、うん!あ、あれ?どうして!?」

​

拓也   「どうした?」

​

里香   「エンジンが掛からないの!?」

​

拓也   「なっ!ちょっとまってろ!慎吾すまん、ここで待っててくれ。」

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​

◆車のキーを回す音

​

​

拓也   「くそっ!!こんな時に限って...どうする、どうしたらいい!!」

​

里香   「このままじゃ慎吾が死んじゃうよ!」

​

拓也   「わかってるよっ!!そうだ!村に向かおう!!ここからならそんなに離れてないはずだ!!」

​

里香   「村に行ってどうするのよ!」

​

拓也   「こんな村でも電話くらいは繋がってるだろ!」

​

里香   「そ、そうか。そうだよね!」

​

拓也   「慎吾一人にして置くのは危険だ!里香一緒に居てやってくれるか?俺が走って連絡を取ってくる!」

​

里香   「私一人じゃ無理だよ!!」

​

拓也   「できるだけ早く帰ってくる!心配するな。お前だけが頼りなんだ!」

​

里香   「わ、わかった...絶対だよ!絶対早く帰ってきてね!」

​

拓也   「ああ、絶対だ!」

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​

▼道中

​

​

拓也   「ハァハァ!くそっ!なんでこんな事になっちまったんだ!
      ...なんだこれ!?…村に明かりが全くない…。
      いや、そんな事気にしてる場合じゃない、誰か!誰かいないのか!!」

​

​

◆扉をドンドン叩く音

​

​

拓也   「おい!誰か!!誰か助けてくれ!!」

​

​

​

▼扉の開く音

​

​

老人   「こんな夜更けにどうされましたかな?」

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拓也   「なっ!?眼…眼がっ!?」

​

老人   「ああ、この眼の事ですかな?当の昔に無くしておりますわ。」

​

拓也   「いや、そんな事はいい!友人がおかしくなったんだ!救急車を呼びたい!電話を貸しくれないか!」

​

老人   「ああ...知らずに此方にいらしたのですな...それは災難でしたな。」

​

拓也   「なに言ってるんだよ!早く連絡を!」

​

老人   「申し訳ないんじゃがこの村には外に連絡を取る手段はありませぬ。」

​

拓也   「はぁっ!?どうなってるんだよ!この村はっ!」

​

老人   「この村は捧げられた村なんじゃ…。少しお聞きしますが、ご友人はその狂ってしまった方だけですかな?」

​

拓也   「いや、もう一人に介護を頼んでるが。」

​

老人   「それはお気の毒に...今頃【赤目姫(あかめひめ)】」の贄(にえ)になっておるでしょう。」

​

拓也   「ど、どういう事だよ!」

​

老人   「赤目姫は常に自分の眼を探しておられる。これまでもこれからもですな...。」

​

拓也   「このままじゃ友達が死んじまう!どうしたらいい!」

​

老人   「貴方はなぜ儂の眼が無いか理解しておられないようですな。」

​

拓也   「え?いきなり何を?」

​

老人   「貴方のご友人が発狂してしまったのは赤目姫の眼をみてしまったからでしょう。
      もう二度と普通の生活には戻れんでしょうな」

​

拓也   「眼を見たからってなんだっていうんだよ!」

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老人   「少し話を聞いていきなさい。そうすれば自ずと貴方の為すべきことがわかるはずじゃ。」

​

拓也   「時間が無いんだ!早くしてくれ。」

​

老人   「もう手遅れなんじゃよ。諦めなされ。」

​

拓也   「そ、そんな…」

​

老人   「これは昔々の話じゃ。
   
      当時この村は栄えておった。そこにはある大名がおった。
      みな穏やかで、その大名も村の事を大事に思っておったんじゃ。
      そんなある日、大名に一人の娘が生まれた。
      娘は生まれ持って赤い眼を持っておってな、それを当時は凶兆として恐れたのじゃ。
      村人たちはその娘を恐れ、外に出んようになった。
      それを危惧した大名は自分の娘を地下牢に封じたんじゃ。
      その娘は何も悪くない。なぜ自分がこんな目に合わなければいけないのかと。
      村人を、そして父である大名を怨んだじゃろうな。」

​

​

間

​

​

▼過去

​

​

大名   「ここ最近姫の事で村に不和が生じている事は皆が知っている通りだ。
      私もあの子の親、こんな事はしたくはない。が、この地に住む住民の事を考えると
      あの子をこの館に閉じ込めておくしかないと判断した。
      あの子の母もそれに同意をしていてくれる。
      これは決定事項である。
      ここに集まった者はその事を村へ伝えてもらいたい。」

​

​

間

​

​

赤目姫  「父上!父上!!どこに連れていくというのですか!」

​

大名   「お前にはこれから屋敷の座敷牢に留めておく。
      屋敷から出る事は許さん。」

​

赤目姫  「私が何をしたと言うのですか!理由をお話しください。
      これでは私があまりにも哀れでございます。」

​

大名   「私もこのような事はしたくはない。
      しかし、その眼は村の者たちを不幸にする。
      わかってくれとは思わん。
      生かしておくだけでも、救われていると思いなさい。」

​

赤目姫  「そんな!?この眼は私が生まれ落ちた時からの物、それが村人を不幸にすると?
      ありえませぬ、私の目の前で不幸になった者を見たためしがありません。」

​

大名   「わかっておる、わかっておるが民が許さぬのだ。」

​

赤目姫  「怨みまする千年いえ、万年怨みまする。この眼を持って生まれたことを。
      そして、父上、母上。村人を怨みまする。」

​

大名   「それから姫は牢屋のような個室から外を眺める日々が続いた。
      その眼はどのような眼差しだったのか…。」

​

赤目姫  「妬ましい、恨めしい...悲しい…。
      この眼を持って生まれた事に、この眼を持って産み落とされた事に。
      この眼を恐れるすべての者が恨めしい…
      この恨みを忘れられようか?この命投げ打ってもこの恨み晴らして見せよう。
      赤い眼は怖いかの?赤い眼は不幸かの?黒い瞳を持って生まれていれば幸せだったのか?
      ならば、奪ってくれよう黒い瞳を。」

​

​

間

​

​

▼村

​

​

老人   「赤目姫が座敷牢に入ってからは、すべてが元に戻ると皆が思っておった。
      しかし、みなが平穏を取り戻した頃、赤目姫は自害したと言われておる。
      その両眼には眼球がなかったそうじゃ。
      それから度々、村の中で赤目姫を見たと言う噂が流れ、その眼を見たものは狂ってしまうと。
      そして自らの眼球を抉り出すそうじゃ。
      どんな力を持った神職の方でも姫の怨嗟(えんさ)を止めることは出来なんだ
      だからこうして、村の前に鳥居を作り、村ごと封印を施したんじゃ。
      そう、この村は赤目姫の為の生贄なんじゃ。」

​

拓也   「それじゃあ・・・その眼は」

​

老人   「この村で生まれた赤子は皆、産婆が眼を潰してしまう。
      赤目姫の目をみてしまうと狂ってしまう事を親は知っておるからな。」

​

拓也   「でも村を出てしまえば!」

​

老人   「何の為の封印だと思うとる。出られんよ、死ぬまでな。」

​

拓也   「もう…ダメなのか?あいつらを助けられないのか!?」

​

老人   「すでにわかっておるじゃろ?自分のすべき事が。」

​

拓也   「そんな...そんな簡単に諦められるわけないだろ!
      なんとかならないのかよ!!」

​

老人   「なんともならん。」

​

拓也   「ふざけるな!」

​

老人   「なら友人の元に戻るかね?」

​

拓也   「ああ、戻るさ!あいつに里香に絶対に戻るって約束したんだ!」

​

​

老人   「・・・・・・」

拓也   「それじゃあなじいさん!俺は俺のやり方で方をつけさせてもらう。」

​

老人   「いいじゃろう。もう儂からは何も言えん。好きにするとええ。」

​

拓也   「じゃあな!じいさん。
      ...無事でいてくれ里香!」

​


間

​

​

草木の音ガサガサ

​

​

里香   「拓也...?拓也なの!?ち、違う!誰なのよ!!」

​

慎吾   「来る…奴が来る…赤眼が、アイツが!ごめん、ごめんなさい!許して!!」

​

里香   「え?え?いきなりどうしたのよ慎吾!何!?なんなのよ!!」

​

赤目姫  「かごめ かごめ 籠の中の 鳥は いついつ出やる
      ふふふっ、みーつけた。」

​

里香   「キャーーーーっ!!」

​

拓也   「里香-っ!」

​

里香   「拓也?帰ってきてくれたのね!それよりあれ何なの!私もう何が何だかわからないの!!」

​

拓也   「あんたが赤目姫だな。話は聞いたよ。相当な恨み辛みを持ってるんだってな。
      だけど!俺たちには関係ないだろ!!どうしてそこまでして俺たちを狙うんだよ!!」


  
赤目姫  「ふふふっ、また見つけた。
      貴方の黒い瞳も頂くわ。」

​

拓也   「どうしてもやるなら俺だけにしてくれ!こいつは見逃してやってくれよ!頼む!」

​

赤目姫  「知らない知らない。私は黒い瞳が欲しいだけ。
      誰だって構わない、我は幸せになる。」

​

拓也   「くそっ!里香お前だけでも逃げろ!!」

​

里香   「そんな!拓也はどうするのよ!!」

​

拓也   「なんとかするしかないだろ!!早く行け!!」

​

里香   「ごめん拓也!」

​

拓也   「行ってくれたか...さぁ煮るなり焼くなりやってくれよ!」

​

赤目姫  「黒い瞳は我の物。」

​

拓也   「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

​

​

間

​

​

里香   「ハァハァ、なんでこんな事になっちゃったのよ!もう嫌助けてよ!誰か助けて!!」

​

赤目姫  「みーつけた。」

​

里香   「いや!来ないで!!もうイヤーーーーーー!!!」

​

赤目姫  「赤い眼は怖いかの?赤い眼は不幸かの?
      ならばその眼を我にくれぬか?
      我の恨みを忘れぬ為にその黒い瞳を我にくれぬか。」
      

間

キャスター「今月21日午前4時半頃赤目村付近の山中において3人の遺体が発見されました。
      警察の調べでは死因は眼球からの失血死とされ、野生の動物に襲われた可能性があるとの事です。
      近隣では熊の出没も懸念されており、お近くの方は近づかないよう注意を呼び掛けております。
      次のニュースです。」

​

赤目姫              「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃーーっ!」

​

​

​

​END

​

​

​

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