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オカルトシンドローム#2

 

         ~彼らの通り道編~

 


登場人物

♀:  保科 智子(ほしな ともこ)=学生1年生 オカルト大好き元気っ子 メガネっ子←ここ大事


♀or♂ 柊 薫(ひいらぎ かおる)  =学生1年生 智子とは親友 色々見えちゃう子 


♀:  工藤 香子(くどう きょうこ)=学生3年生 智子と薫の先輩 姉御肌 強がりな子 常識人

 

※学生=大学でも高校でも中学でもなんでもいいです、学校であれば

 


智子:

 

薫 :

 

香子:


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▼授業の終わった教室

 

■薫に向かい合って話しかける智子

 

 

智子「最近この桜草町(さくらそうちょう)には変な事件が多発してるらしいの!

    でね、そんなの放っておけないじゃない?」

 

 

■あきれた様な薫

 

 

薫 「で、今度は何を見つけてきたの?」

 

智子「今回はね、最近この町で流行ってる通り魔事件の話!」

 

薫 「通り魔?智子が好きそうな話題じゃないね」

 

智子「いつも同じ場所で被害が起きてるの

    し・か・も、今回は被害者がこの学校の先輩なのだ!」

 

薫 「被害者って、そんなの簡単には会えないんじゃない?」

 

智子「そうなんだけど、私の友達ネットワークでゲットしたのよ!」

 

薫 「そっ、そんな簡単に知る事ができるもの?」

 

智子「そーだよー!」

 

薫 「その人ってどんな人なの?」

 

智子「今から電話するんだもん、私も初対面だよ!」

 

薫 「はぁ!?」

 

 

■電話しようとする智子

 

 

薫 「ちょっ!ほんとに今からっ!?」

 

智子「当たり前じゃん!」

 

 

●SE:電話のプッシュ音

 

 

智子「もしもし?あ、香子先輩ですか?
    私、1年のほしなって言います
     はい、、、はい、噂になってまして
    ええ、それで力になれればと!
    はい、それじゃあ、待ってます!」

 


●SE:電話の終了音

 


智子「今から来てくれるって!」

 

薫 「その行動力はどこからくるんだ...」

 


■教室の扉を開けてやってくる香子

 

●SE:扉を開ける音

 


香子「あんた達が調べてくれるのかい?」

 

智子「そうです!私達にお任せください!」

 

薫 「自然に自分を加えるのは勘弁して…」

 

智子「で、今回事件に合ったと言う事ですが!」

 

薫 「いやいや、先に自己紹介くらいしようよ」

 

智子「そうだった!
    さっき電話させてもらった、1年のほしな智子です」

 

香子「私は3年のくどう香子、あんたらの先輩だね
    こっちの子は?」

 

薫 「智子の友達のひいらぎ薫です、智子が失礼しました」

 

智子「ささ、それじゃあお話をっ!」

 

薫 「もうちょっと落ち着きなよ…」

 

 

■智子のテンションに押され気味の香子

 

 

香子「あ、ああ、そうだね、ちょっと説明しにくいんだけどさ…」

 

香子「あれは4日前の事なんだけど
    自宅に帰る途中でさ、たまたまいつも通る道が工事中だったんだ
    だからさ、いつもと違う道を通ったわけ」

 

薫 「いつもと違う道?」

 

香子「そう、薄暗い道なんでいつもは避けてたんだけどね」

 

智子「それでどうしたんです?」

 

香子「まぁ、そこを歩いてたらさ、後ろから切りつけられた」

 

薫 「えっ?それって普通に傷害事件なんじゃ…」

 

香子「普通ならそうだろうけど、でも人の気配なんてなかったんだよ」

 

智子「それって、何も無いところで切り付けられたって事ですか?」

 

香子「そういう事になるかな」

 

薫 「それって、ただの思い違いじゃ・・・?」

 

香子「そう思いたいんだけど、見てくれよ」

 

 

■大きく切られた腕を見せる

 

●SE:衣擦れの音

 


智子「うわぁ…」

 

薫 「痛そう…」

 

香子「だから、こんな事をした犯人を捕まえて欲しいんだけど…」

 

薫 「でも、それって警察の仕事じゃ…」

 

香子「警察にも行ったよ?だけど相手にしてくれないんだよ!」

 

薫 「実際切りつけられてるんだからそれは無いんじゃ」

 

香子「近くに監視カメラがあったらしいんだけど、私以外に誰も映ってなかったんだってさ」

 

薫 「それで、警察が動かなかったのか」

 

 

■薫に目配せ

 

 

智子「これって、普通の事件じゃないよね?薫は色んな事知ってるでしょ?
   なにか心当たりとかないの?」

 

薫 「一応、カマイタチって妖怪の話があるかな?」

 

智子「カマイタチ?」

 

薫 「風に乗って、人を切りつけるっていう妖怪だよ」

 

智子「へぇーっ!そんなのがいるんだね!」

 

薫 「妖怪なんだから、いるわけが…」

 

 

■こそこそ話す二人を見てイライラしだす香子

 

 

香子「このままじゃ私の気が収まらないと思ったからあんたらに頼もうとしたんだけどさ!
    あんまり乗り気じゃなかったみたいだね」

 

智子「いえいえ!そんな事無いですよ!ね?薫?」

 

薫 「え、ああ、まぁ、、、そうですね」

 

智子「それじゃあ!現場に行きましょう!」

 

薫 「えっ、さっそくいくの?」

 

智子「当たり前じゃない!善は急げよっ!」

 


▼夕暮れ時 薄暗い塀に挟まれた道


■キョロキョロ見て回る智子

 

★BGM:とうりゃんせ~♪とうりゃんせ~♪

 

 

智子「ここが現場ですね!」

 

香子「丁度この辺りだったかな?」

 

智子「薫、何か分かる?」

 

薫 「嫌な感じがする…」

 

智子「やっぱり!」

 

香子「何の話してるんだい?」

 

智子「いえ、この人見えちゃう人なんです!」

 

香子「見える?」

 

智子「幽霊とかそんな感じなのが!」

 

薫 「声がおっきいって…」

 

香子「で、何か見えるのか?」

 

薫「いえ、何かが見えるって事はないですが
   嫌な感じがします。」

 

香子「はっきりしないわね!」

 

智子「そんな事ないと思いますよ!
    薫が嫌な感じがする時って、いつも変な事が起きますから!」

 

香子「って、事は?」

 

智子「つ・ま・り、この場所で出るって事ですよ!」

 

香子「でも、嫌な感じがするってだけじゃなんにもならないんじゃ…」

 

 

■急な突風が吹く

 

●SE:風の吹く音

 


智子「きゃっ!もう前回からこんなのばっか!」

 

 

■スカートを押さえる智子

 

 

薫 「先輩あぶないっ!」

 

香子「えっ!」

 

 

■薫が香子を押し倒す

 

 

香子「なっ、なにしてんのさっ!」

 

薫 「つっ…」

 

 

■薫の腕には大きな切り傷が

 

 

智子「薫っ!」

 

香子「あんたその腕…」

 

薫 「大丈夫、大丈夫ですから」

 

香子「大丈夫なわけないだろっ!」

 

 

■香子はポケットからハンカチを取り出す

 


香子「これで縛っておけば少しはマシになるだろ」

 

薫 「ありがとうございます」

 

智子「家に寄っていきなよ、ここからなら近いからさ」

 

薫 「それより、カマイタチなんて可愛いもんじゃないみたいです」

 

香子「何言って…」

 

薫 「これ見てください」

 

 

■薫が指差すのは塀

 

 

香子「ただの壁じゃないか」

 

薫 「ここに鳥居が描いてあるでしょ?」

 

智子「この壁に描いてある鳥居の絵の事?

   これってなんなの?」

 

薫 「ここ、霊道になってるみたいです
   この鳥居で漂う霊達を道案内してるんですが
   削れちゃってるんです」

 

香子「そうなると、どうなるっていうのよ?」

 

薫 「道に迷って留まってしまうんですよ

   そして、案内してくれる人を捕まえようとします。

   自分」

 

香子「それって…」

 

薫 「ええ、香子先輩を殺して道案内させようとしてるんです!」

 


■壁に叩きつけられる香子

 

●SE:壁に当たる音

 

香子「きゃぁ!?」

 

智子「香子先輩っ!?薫!何とかしてよっ!」

 

薫 「智子なにか書くもの!」

 

智子「そんな急に言ったって!」

 

薫 「はやくっ!」

 

 

■何かに手を引っ張られる香子

 

 

香子「なによっ!なんなのよっ!離してよっ!」

 

 

■カバンをひっくり返す智子

 

●SE:ガサガサする音

 

 

智子「あった!」

 

薫 「貸して!」

 

 

■薫は壁に新たな鳥居を描いていく

 

●SE:ペンで書く音

 

 

薫 「これで...なんとかなるはず!」

 

 

■急に開放され、ガクブルなのに強がる香子

 

 

香子「はぁはぁ、なんだったのよさっきのは!」

 

薫 「よかった、間に合った…」

 

智子「二人とも大丈夫っ!」

 

薫 「大丈夫だと思う、香子先輩は大丈夫?」

 

香子「今は大丈夫だけど...」

 

薫 「怖かったですよね、もう大丈夫だと思います」

 

智子「はぁ~、もういきなりはやめてよね!」

 

薫 「智子の事情なんて考えてくれるはずないでしょ」

 

 

★BGM:とおりゃんせの曲

 

 

香子「さっきのはなんだったのさ!」

 

薫 「あぁ、説明がまだでしたね
    あれは香子先輩がまたこの場所に来た事で
    彼らが道案内をしてくれると勘違いしたんです」

 

香子「つまり?」

 

薫 「もうちょっと遅かったら
   あちら側にされてましたね」

 

香子「…ゾッとしない話ね...」

 

薫 「だから、新しく鳥居を描き直してあげたんですよ」

 

智子「それじゃあ、香子先輩に危害を加えた霊ってのは?」

 

薫 「たぶん、あっちの世界にちゃんといけたと思う」

 

香子「それが本当だとして、それじゃあ、幽霊ってのはその辺りに
    どこにでも存在してるって事かい?」

 

薫 「ええ、いつも悩まされてます」

 

智子「今回は危なかったね~」

 

香子「今回はって、何度もこんな事経験してるのか!」

 

智子「私は今回で二回目ですけどね!」

 

香子「は、はは、、、」

 

薫 「さぁ、もう帰りましょう...疲れちゃいましたよ」

 

香子「あ、ああ、ごめんよ」

 


薫M「こうして、今回の事件は終わりを告げた
    供養されない人達だっている
    そんな彼らがあの世に行く為に必須なもの
    あなた達は壁にある鳥居を見つけたら、近づいてはいけない
    ソッと離れたほうがいい
    そうしなければ、あちら側の住人になってしまうかもしれないから」

 


▼お昼休みの教室

 

●SE:ガヤガヤ音

 


智子「今回の事件って、結局かまいたちじゃなかったんだね」

 

薫 「なんでそんなにガッカリしてるの?」

 

智子「だってさ、妖怪って一回くらい見てみたいじゃない!」

 

薫 「またそんな事を…」

 


■急に香子が教室に入ってくる

 

●SE:扉を開ける音

 

 

香子「よう!後輩達!」

 

薫 「香子先輩!」

 

智子「どうかしたんですか?」

 

香子「あんたら、この前みたいな事に詳しいんだろ?」

 

智子「ええ!そりゃもうっ!」

 

薫 「ちょっ!智子!」

 

香子「でだ、私の友達で困ってる奴がいるんだけどさ」

 

薫 「まさか…」

 

智子「もしかしてっ!」

 

香子「ちょーっと、私にはまだ理解が追いつかない事らしいんだよね」

 

智子「事件ですねっ!」

 

香子「そういう事だからさ今回も頼むよ!」

 

薫 「え、えぇぇぇぇぇぇ~・・・・・・・・・」

 

 

 

to be continued

 

 

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